nifuba - tag: ウルトラマンマックス (1/1)

20051210

マックス#狙われない街。幻覚宇宙人だったメトロン星人が対話宇宙人になって地球人を見限り去って行った話。過去のメトロン星人が地球人に対し宇宙ゲシの結晶を使ってまで失わせようとしていた理性を、現代の地球人は自ら失おうとしているという軽めの風刺エピソードで、セブンの続編としては納得のいく一編だった。マックスのM78星雲設定は今回のためだけにあったと言ってもよさそうだな。寺田農の人を食ったような演技の冴えっぷりもすばらしい。

実相寺ウルトラとしても久々に胡蝶の夢系エピソードじゃなくて、映像につじつまが合ってるのでその構図や色彩の実相寺さを逆説的に堪能する事が出来た。イイ話調に語られた/描かれたメトロン星人治療話の直後のアンバランスな空の赤さが、あのころとは正気と狂気のひっくり返った現代を象徴してるかのようで私的に印象的。あのころはウルトラ警備隊も狂気の殺人集団だったし、ラストでメトロン星人にバイバイするマックスの姿も再現映像のセブンの裏返しで、マックスボックスの「だけど今はマックスがいるから大丈夫だよ!」という締めは二重の皮肉を含んでいたわけだ。翌日の青すぎる空で画面を埋めるためだけの散水も、赤く染まった網膜を洗い流すには十分なコントラストで、まったくもってあざといぐらい実相寺だった。先々週より満足したよ!

ところでラストの441166は何なんだろ。現代人なので考えないけど。

posted by ec / □ permalink / CC:BY / tokusatsu, ウルトラマンマックス, 実相寺昭雄 / 2005/12/10 08:31:56 / references: 20051201040724

20051201

マックス#魔デウス。石橋蓮司演じるデウスエクスマキナすら知らないで大丈夫なのだろうか的なうだつのあがらない脚本家が見る夢の中の話をウルトラマンマックスの一編として脚本に書き起こし続けていたら、たいへんキモい怪獣デザイナーの女性が魔デウスをつくりあげてしまい、なんだかよくわからない間にカイト隊員になって魔デウスの中で光ってドカーンな話。最後の方がアレなのはきっとカイト隊員(DASH入隊基準:奇跡的に生還したから)の筆力に問題があったためだろうか。とはいえ話は理解しようとするとますますわからないので、こんど整理しとこう。

映像は相変わらず実相寺。今回の舞台は脚本家宅、怪獣工房と会議室なんだけど、とくに怪獣工房がよかった。本当にこんなところでずっと怪獣を造形し続ける仕事があれば是非就職したいものだ。露骨にノイズに溢れ増大する脚本家の住居はマニアックな物件としか。

あと魔デウスのネーミングが天才・キングジョー哲夫的ですねと言われていたけど、センスとしてはプリズ魔っぽいよなー。あと諏訪太朗は実相寺監督本人っぽくてよかった。

結論としては、実相寺だった。満足。再来週は実相寺監督による『狙われた街』続編みたいなので、非常に楽しみにしております。

posted by ec / □ permalink / CC:BY / tokusatsu, ウルトラマンマックス, 実相寺昭雄 / 2005/12/01 04:07:24 / references: 20051210083156

20051011

マックス#第三番惑星の奇跡。三池崇史監督の少女の音楽が世界を救うアンバランス幻想エピソード。特撮史上まれに見る美しい演奏シーンに圧倒された。とりあえず最近の特撮番組でなにか1話オススメを、と言われたら当分はこの回を紹介しとけばいいんじゃなかろうか。

明らかに演出と脚本のレベルがいつものマックスの数段上なのに、相変わらず馬鹿としか言いようのないDASHの面々の描写にはむしろ感心した。キャラの性格をいじらずにこういうイレギュラーな話をやって、しかも成功するというのはすばらしい仕事だとおもう。冒頭の空中戦演出もいつもより気合が入ってたみたいだし、特技監督が違うとこうも違うのか。

しかしQ的なアンバランスゾーンにおける一発ネタをベースとしたとてもイイ話だったのだけど、なんでdark fantasyでこういう話ができなかったのかね…。あと三池崇史があからさまに畑違いのウルトラの1エピソードを監督して、それが突然まれにみる傑作だったというのも(三池崇史がすばらしい映画監督であるという事実を考えたとしても/もちろん、今回の予算がいつもの数倍だとしても)なんだかテレビ特撮というフィールドの狭さを感じざるを得ないとおもった。つーか結局妖怪大戦争観てないよ! ダメすぎる。

posted by ec / □ permalink / CC:BY / tokusatsu, ウルトラマンマックス / 2005/10/11 06:22:21

20050625

ネクサス#最終回。宇宙にダークザギを粉砕するノア様の神々しい姿。これだけでULTRA N PROJECTを最初のリーク画像から見守ってきた甲斐があったってものだな。初期の鬱々とした暗黒ぶりからは考えられないような希望と光に満ちたウルトラらしい最終回でした。しかしやはりこれは仕方ないものの、どうしても端折りすぎたせいで演技の端々に薄っぺらさが見え隠れしてしまうのがとても惜しい。加速する後半にさしかかる辺りは緊張感のあるドラマが繰り広げられてただけに、あとほんの少し序盤の展開にヒキがあれば…と今から惜しんでも仕方ないか。板野サーカスも怪獣プロレスとの完全な融合は果たされずじまいに終わった印象もあるし、意欲的だっただけにつくづく残念なシリーズでした。結論:ウルトラマンはドッグファイトを行う生き物ではない。

ということで、地上でのプロレスにおけるスパイスとしての板野サーカス的な演出をマックスには期待したい。CG外注じゃ無理だろうか…。まーしかしとりあえず#1、#2は金子監督回なので、普段特撮観ない人も観ておくべきだということでエントリ閉じる。

posted by ec / □ permalink / CC:BY / tokusatsu, ウルトラマンネクサス, ウルトラマンマックス / 2005/06/25 08:09:29

20050422

ウルトラマンマックスは7/2より放送。ネクサスは打ち切りでULTRAMAN2は無期延期、ULTRA N PROJECT全体としてもノア様復活を待たずして撤収と相成ったわけか。ジリ貧の円谷にとってはひさびさの大プロジェクトだっただけに、ますますバンダイによる買収の可能性が濃くなってきたなーという印象。そして原点回帰に過去怪獣の大量導入とくると、ますますキャラクターとして消費し尽くされてしまった(という定説の蔓延している(個人的にはまだその言説は信頼できない))ゴジラと被るものがあるな。まーゴジラと違って主役を交換できるのがウルトラの強みではあるので、そう簡単にGFWとダブらせるといろいろ見失いそうだ。だいいちGFWがあんな映画だったという事は恐らく広く一般には伝わっていないだろーしな。

圧倒的に強い! 毎週怪獣を倒す! 明るい画像で展開! とか言っておきながら金子&三池監督らのオタ受けしかしなさそーな有名監督を連れてくるのもいまひとつ解せないものがある。ウルトラQdfの流れなのかな。しかし考えてみるとCBCの土曜朝全国枠は小林靖子によるセラムン、子供を見切った円谷平成アンバランスゾーンなネクサス、そして今回の有名オタ向け監督起用のマックスと、あまりに偏りすぎだと思う。おそらくCBC側に原因があるんだろーし、このままだと来年あたりにはマイティジャックとかやってそうだ…。

とひとしきりケチをつけてみたものの、結構楽しみではある。庵野監督も参加するって噂もあるし、「板野サーカスで暗くて漫画は椎名高志」という偏ったキーワードでしか語られることのなかったネクサスよりはいくぶん話題性に彩られた、良くも悪くも派手なシリーズになりそうだ。

posted by ec / ○ permalink / CC:BY / 特撮, ウルトラマンマックス / 2005/04/22 03:58:47

1998- ec some rights reserved.