マックス#狙われない街。幻覚宇宙人だったメトロン星人が対話宇宙人になって地球人を見限り去って行った話。過去のメトロン星人が地球人に対し宇宙ゲシの結晶を使ってまで失わせようとしていた理性を、現代の地球人は自ら失おうとしているという軽めの風刺エピソードで、セブンの続編としては納得のいく一編だった。マックスのM78星雲設定は今回のためだけにあったと言ってもよさそうだな。寺田農の人を食ったような演技の冴えっぷりもすばらしい。
実相寺ウルトラとしても久々に胡蝶の夢系エピソードじゃなくて、映像につじつまが合ってるのでその構図や色彩の実相寺さを逆説的に堪能する事が出来た。イイ話調に語られた/描かれたメトロン星人治療話の直後のアンバランスな空の赤さが、あのころとは正気と狂気のひっくり返った現代を象徴してるかのようで私的に印象的。あのころはウルトラ警備隊も狂気の殺人集団だったし、ラストでメトロン星人にバイバイするマックスの姿も再現映像のセブンの裏返しで、マックスボックスの「だけど今はマックスがいるから大丈夫だよ!」という締めは二重の皮肉を含んでいたわけだ。翌日の青すぎる空で画面を埋めるためだけの散水も、赤く染まった網膜を洗い流すには十分なコントラストで、まったくもってあざといぐらい実相寺だった。先々週より満足したよ!
ところでラストの441166は何なんだろ。現代人なので考えないけど。